日本における1年間の食品廃棄量は約570万トンもあり、ロスを削減する動きが各地でとられています。その取り組みの一つとして利用者が増えているのが「フードロスアプリ」です。
フードロスアプリとは、お店で売れ残ったり、食品工場で廃棄してしまう「訳アリ食品」を格安で購入できるアプリです。美味しいものが安く手に入り、社会貢献にもなるということで注目されています。今回は、そんなフードロスアプリについて深掘りします。
使わないと損!フードロスアプリとは?
フードロスアプリとは?
食品の「もったいない」を解消するアプリ
フードロスアプリとは、生産者・製造者と消費者をつなげることで、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を安く取引できるアプリです。
お店での余り食品や、規格外の食材は、利用されずに廃棄されてしまうものがほとんどです。そういったロスを削減するため、ベンチャー企業を中心に専用アプリの開発が進んでいます。
アプリの種類はさまざま
ひとえにフードロスアプリといっても、アプリによって特徴はさまざまです。具体的には、次のようなサービスがあります。
- 飲食店での売れ残りメニューをテイクアウトできるサービス
- 急な空席が出たレストランに予約を入れられるサービス
- メーカーや卸が抱えてしまった在庫商品を安く購入できるサービス
- 規格外の野菜や果物を安く購入できるサービス
日本ではまだ始まったばかり
日本では2020年ごろからフードロスアプリが誕生し始めましたが、海外ではもっと前から同様のサービスの利用が盛んになっています。例えば、世界17ヵ国で利用できる「Too Good To Go」というフードロスアプリは2016年からサービス開始され、今や5000万人以上の利用者がいます。
そういった意味では、日本はまだまだフードロス解決の発展途上といえ、伸びしろがたくさんあります。
フードロスアプリを利用するメリットとは?
フードロスの削減につながる
フードロスアプリを使うことで、食品の廃棄量削減に貢献できます。なるべく環境や社会に貢献したいと思っても、個人ではなかなか難しいものです。しかし、こういったアプリを利用すれば、手軽に楽しみながら社会貢献することができます。
残り物には福がある、というように、売れ残りの中に思わぬ大好物を見つけられるかもしれません。
安全な食品が安く手に入れられる
フードロスアプリに掲載されている食品の多くは、定価よりも割安になっています。そのため、美味しく安全に食べられるものを安く購入できるメリットがあります。
気になっていた食品やメニューを食べてみたり、食べたことのない野菜を買ってみたりと、色々と挑戦もしやすく、暮らしが豊かになります。
お店の売上が向上する
フードロスアプリは、お店側にもメリットが大きいです。アプリを通して商品を売り切ることで、廃棄コストや手間の削減につながり、売上が上がります。
さらに、フードロスアプリは広告のような機能もあるでしょう。
人気のフードロスアプリ3選
let(レット)
let(レット)とは、余った食材や規格外品などを購入できる通販アプリです。出品しているのは全国のメーカーや卸、農家など様々です。
霜降り和牛や魚介などの高級食材から、大容量のお菓子や野菜まで商品ジャンルは幅広くあります。まるでスーパーマーケットのようで、見ているだけで楽しいアプリです。ギフト商品もあるので、プレゼントを選ぶのにもよいでしょう。
参考:let(レット)
TABETE(タベテ)
TABETE(タベテ)とは、飲食店やパン屋などの販売店で売れ残りそうなものを、お客さんが「レスキュー」する予約アプリです。
例えば、売れ残ったお弁当やメニューがあれば、お店側が「レスキュー依頼」をTABETEに掲載します。
消費者は、食べたいものがあれば「レスキューボタン」を押すことで商品を予約します。そして、あらかじめ設定しておいた引き取り時間に来店し、商品を受け取る仕組みです。
参考:TABETE
ポケットマルシェ
ポケットマルシェとは、生産者から直接食材が購入できる産直アプリです。卸業者を介さずに買えるので、お店で買うよりも安く食材を手に入れられます。
アプリ内には「訳ありポケマルシェ」というページがあります。そこでは規格外品や、飲食店などでは使われない「未利用魚」が販売されており、人気を集めています。傷の有無やサイズなど、どんな「訳アリ」なのかが詳しく説明されているので、選びやすさも魅力です。
参考:ポケットマルシェ
まとめ
SDGs(持続可能な社会を目指す取り組み)の点からも、フードロスは企業やお店、消費者が一丸となって解決すべき課題です。フードロスアプリは、そのきっかけを作る有効なサービスといえるでしょう。
気になったアプリがあれば、ぜひダウンロードして利用してみてください。知らないお店や食品に出会ってワクワクしたり、お得な買い物ができたりと、良い体験ができるはずです。社会全体で楽しくフードロス削減に取り組んでいきましょう。
参考:農林水産省