数年前から人気を集めている鉄フライパン。鉄フライパンをお手入れして使いやすくすることをよく「育てる」といいますが、鉄フライパンを育てて使う魅力はたくさんあります。鉄フライパンを2年間育ててきた筆者が、鉄フライパンの魅力や簡単なお手入れ方法をご紹介します。まだ使ったことがない方も、ぜひ参考にして下さいね。
自分だけの「鉄フライパン」でお料理も一層楽しく!
鉄フライパンの魅力とは?
手入れをすれば長く使える
鉄フライパンはしっかりとお手入れをすれば何十年も使い続けられます。鉄はとても耐久性が高いためです。また、テフロン加工のフライパンのように加工が剥げてしまうこともありません。実際に、世代を超えて同じフライパンを愛用している人もいるほどです。
使えば使うほど食材がくっつかなくなる
鉄フライパンを使い続けるほど、食材がくっつかなくなり、使いやすく変化していきます。なぜなら、使うたびに油が馴染んでいくからです。
長く使うことでより価値が出てくるのも魅力です。
熱伝導率や保温性がよく料理が美味しく作れる
料理が美味しく作れるのも魅力のひとつです。鉄は熱伝導率や保温性が高いため、表面の温度にムラがなく、食材にすばやく火を通すことができるのです。通常、食材を長時間加熱しすぎると水分や旨味が逃げてしまいますが、鉄フライパンならそれらを閉じ込めたままカリッと、ジューシーに調理できます。
たわしでゴシゴシ!気兼ねなく洗える
鉄フライパンはたわしで強く洗うことができます。耐久性が高く、傷もつきにくいためです。多くのフライパンは、表面加工が剥がれないように優しく洗う必要がありますが、鉄フライパンではその必要はありません。万が一焦げ付いてしまっても、ゴシゴシと洗うことができます。毎日使うものですので、細かいことを気にしなくて良いのも魅力です。
簡単!鉄フライパンの使い方と育て方
購入したらまず「焼き入れ」と「油ならし」を
新品の鉄フライパンを購入したらまず「焼き入れ(空焼き)」をしましょう。流通段階でのサビ止めのために塗装がしてあり、それを焼き切る必要があるからです。
フライパンを中火にかけ、軽く煙が出始めたら強火にします。加熱し続けると、鉄が青っぽく変化していくのです。フライパン全体がまんべんなく青っぽくなり、煙がおさまったら完了です。
粗熱が取れたらお湯とタワシで塗装を洗い落とし、「油ならし」に移ります。
これは表面に油を馴染ませる作業です。フライパンの半分くらいまで油をたっぷり入れ、強火にかけます。煙が出始めたら火を消し、側面を含め全体に油を馴染ませます。
粗熱が取れたら、油をオイルポットなどにあけます。フライパンに残った油は洗い流さず、キッチンペーパーで薄く塗り広げておきましょう。これで油ならしは完了です。
ちなみに、鉄臭さが気になる方は、野菜くずを油と一緒に入れて炒めると効果的です。
鉄フライパンを使う前にすること
鉄フライパンを使う前には、先述の「油ならし」を行います。表面に油の膜を作ることで、食材がくっつかなくなるのです。
少量の油で調理しても食材がくっつかなくなる(=育つ)までは、毎回の使用前に油ならしをするのをおすすめします。
鉄フライパンを使っている時の注意点
使用中は、火力を急に強めることのないようにしましょう。熱伝導率が高いため、少しの火力の変化でフライパンが急に熱くなり、食材が焦げ付きやすくなってしまうのです。火力は気になるところですが、調節は控えめがおすすめです。筆者は、鉄フライパンでの調理中にほとんど火力を調節することなく、美味しく作れています。
使用後の洗い方とお手入れ方法
鉄フライパンは、使用後まだ温かいうちにたわしでお湯洗いするのがコツです。洗剤を使うとせっかく馴染ませた油が落ちてしまうため、おすすめしません。万が一、食材がこびりついてしまっても、温かいうちであればたわしで簡単に落とせます。筆者はいつも使用直後にゴシゴシと水洗いしています。
焦げ付いてしまった場合は?
たわしで擦っても落ちない焦げ付きは、重曹と水を入れて煮ることで落とせる可能性が高いです。重曹と水をフライパンに入れ、沸騰させてから火を止めてしばらく待つと、焦げが浮いてきます。その後たわしでこすると、多くの焦げは落ちるので試してみてください。
鉄フライパンを使ったおすすめ料理
ステーキ
ステーキは、鉄フライパンの熱伝導率の良さを最大限に生かせる料理です。表面はカリッと、中はムラなくジューシーに焼きあげられます。「はじめは強火で、あとは弱火」が焼き方のコツ。あまりお肉を動かさないことでより旨味を閉じ込められます。ぜひお好みの焼き加減に仕上げてみてくださいね。
焼きそば
屋台で食べる焼きそばって美味しいですよね。そんな焼きそばをご自宅でも作れるのが鉄フライパンの魅力でもあります。高温で一気に炒めることで、野菜から水分が出ることがなく、ベチャッとしないのです。また、しっかりと油ならしをして育てれば、食材がこびりつく心配もありません。
揚げ物
熱伝導率が高い鉄フライパンなら、揚げ物も外はカリッと中はフワッと揚がります。少量の油で美味しい揚げ物ができるのもおすすめポイントのひとつです。さらに、揚げ物をすることでフライパンに油が最大限に馴染み、一段と育っていくという一石二鳥なのです。
まとめ
鉄フライパンは、一度使い慣れたら他には戻れないというほど、魅力たっぷりの調理器具です。使い方や手入れが難しいと思われがちですが、使い方のポイントをおさえれば簡単に使うことができます。
今回の記事を参考にして、今年から鉄フライパンを育ててみてはいかがでしょうか。育てば育つほど使いやすさや愛情も増すので、一生ものの相棒になるかもしれません。