急なお金が必要になったときに便利なカードローン。
「次困ったときもよろしくね!」という気持ちで気軽に借りている人も多いのではないでしょうか。
しかし、借りられる金額には限界があることを忘れてはいけません。
今回はその限界と、限界を超えた際にどうなるのかもお話します。
借入の限界はあるのか?
1.法律で決まっている限度額の規制
限度額の話をすると「カードローンを提供する会社が定めた限度額」と勘違いしている人がいますが、その前に法律で限度額が規制されています。
それは、貸金業法における通称「総量規制」です。
総量規制
日本貸金業協会のサイトに分かりやすく解説されていますが、「年収の3分の1までしか借りられません」という規制が設けられています。
以前はこのような規制はありませんでしたが、カードローン等気軽に借りられるサービスの普及で多重債務者が増加している現状を踏まえ、2010年に新設されました。
総量規制の例
例えば3社から「限度額50万円」を設定されていても、あなたの年収が300万円だと合計100万円までしか借りられません。
「カードローンを提供する会社が定めた限度額」と「総量規制」では、当然法律による総量規制が優先されます。
カードローンを提供する会社で、銀行や信用金庫以外は「貸金業者」ですので、貸金業法における総量規制に従うしかないのです。
限度額を超えるとどうなるのか
では、もし限度額を超えるとどうなるのでしょうか。
答えは想像通りだと思いますが、原則として新たなお金は借りられなくなります。
ただ、既に限度額近い借入をしている状況では、そうそう返せる状態ではありません。
仮に年収300万円の人が限度額に近い90万円を借りている場合、金利18.0%と仮定した場合の毎月の支払い利息は、概算で以下のようになります。
90万円×0.18÷12=13,500円
実際は1日当たりの利息×28日~31日分ですので、毎月微妙に支払額は異なりますが、利息だけでおおよそ13,500円を払わなければいけないのです。
年収300万円の場合、手取りは240万円、月手取りは20万円です。
東京で一人暮らしをする場合、家賃だけで7万円程度かかることを考えれば、上記の13,500円は大変厳しい負担になります。
そして、上記は利息だけですので借りた元金90万円は1円たりとも減りません。
実際は13,500円+元金の一部を返済する形になるので、更に返済金額は上がります。
よほどの自制心がないと、ここから完済までこぎつけるのは至難の業です。
限度額以上を借りられるカードローン
では限度額に達していて借りられない人は、新たな借入は諦めるしかないかと言えば、そうではありません。
あくまでここまで話した内容は原則です。例外があります。
例外とは?
この例外を「除外貸付」「例外貸付」と言います。
このうち、除外貸付は自動車ローンや住宅ローン等ですのでカードローンには関係ありません。
カードローンを借り入れたいと考えている皆さんに関係あるのが例外貸付となり、以下8つの場合が該当します。
- 顧客に一方的に有利となる借換え
- 借入残高を段階的に減少させるための借換え
- 顧客やその親族などの緊急に必要と認められる医療費を支払うための資金の貸付け
- 社会通念上 緊急に必要と認められる費用を支払うための資金(10万円以下、3か月以内の返済などが要件)の貸付け
- 配偶者と併せた年収3分の1以下の貸付け(配偶者の同意が必要)
- 個人事業者に対する貸付け(事業計画、収支計画、資金計画により、返済能力を超えないと認められる場合)
- 新たに事業を営む個人事業者に対する貸付け(要件は、上記⑥と同様。)
- 預金取扱金融機関からの貸付けを受けるまでの「つなぎ資金」に係る貸付け(貸付けが行われることが確実であることが確認でき、1か月以内の返済であることが要件)
引用:日本貸金業協会サイト
このうち、①に該当するローンを新たに組めば限度額以上を借りられるのです。
カードローンを始める際、大体10~30万くらいの単位で借りていることが多く、上限金利は18%です。借入を100万円以上にすれば上限金利は15%に下がります。
この仕組みを利用し、消費者金融を中心に「おまとめローン」というローンで限度額を超えて借りることができる可能性があります。
複数社から100万円以内の借入をしている場合は、おまとめローンで限度額以上に借入れ、金利負担も減らしながら借金返済して立て直していくことができます。
借りる際に気を付けること
前述した借入は、あくまで例外的に認められているものです。
そのため、もしも限度額以上の借入をする際に気を付けなければならないことがあります。
このチャンスは一度きり。
一度おまとめローンを組んで返済出来ない場合、無理な金策に走るしかなくなります。
法律に沿った正当な手段以外で借入をしてしまうと、自己破産につながり、社会的な信用を失います。
そうなりたくなければ、是が非でも生活を立て直すしかありません。
おまとめローンは実質的に1回しか使えない切り札なので、借りたら必ず余裕を持った返済計画を立てて、お金が足りなくなる前に徹底的に節約・倹約して乗り切りましょう。
まとめ
ここではカードローンで借りられる限界についてお話しました。
知識として知っておくべきだと思いますが、だからといって「限度いっぱい借りても救済措置がある」と言っているわけではありません。
借入を多くすれば多くするほど、金利負担が重くなり、借金の返済が遅れるのです。
「ご利用は計画的に」というCMは、パフォーマンスでも何でもなく、貸す側の真意です。
借りる際は、自分が返せる範囲なのか考えてください。
借金とは正しく付き合っていきましょう。