年齢を重ねるにつれて、予期せぬ出費が増えることがあります。たとえば、病気による長期入院、孫の教育費、あるいは突然の収入減少など、定年後の年金だけでは対応しきれない状況に陥ることも考えられます。
定年後にはお金を借りることはできないのではと思う方も多いと思いますが、高齢者でも借りれるローン商品は存在しています。
本記事では、高齢者でも利用できるローンにはどのようなものがあるのか、ローンを利用する際に注意することなどを解説していきます。
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高齢者でも借りれるローン
ローンを利用するには、返済能力の審査が必要です。そのため「収入が少ない高齢者は審査に通らないのでは?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
高齢化社会の現在、連帯保証人なしでも借りれる、年金収入の高齢者でも借りれる可能性のあるローン商品もあります。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは、自宅を担保にしてお金を借りる制度です。高齢者が所有する不動産を担保にして、生活費や介護費用を賄うための資金を借り入れることができます。返済は通常、借り手が亡くなった後に、担保の不動産を売却して返済に充てる形式です。これにより、生前は住宅に住み続けながら資金を利用できます。
銀行のシニア向けローン
一部の銀行では、60歳以上を対象とした「シニア向けローン」や「退職後ローン」を提供しています。これらのローンは、医療費、介護費用、リフォーム費用などに利用できる場合が多いです。ただし、年齢制限や返済期間に制限があるため、申込時に注意が必要です。
カードローン
一部の金融機関では、70歳以上の高齢者でも利用できるカードローンを提供しています。しかし、利用限度額は比較的少額に設定され、返済能力が審査の対象となります。また、年齢によっては新規の申請ができない場合もあります。
無担保ローン
無担保ローンは、担保を必要としない借り入れの方法です。しかし、無担保ローンは返済能力が厳しく審査されるため、高齢者が利用できるケースは限られています。利用する場合は、少額の借り入れに限定されることが多いです。
消費者金融
高齢者向けの消費者金融からの融資も可能ですが、金利が高めに設定されていることが多く、返済が長期化すると負担が大きくなるリスクがあります。消費者金融のローンを利用する際は、慎重に返済計画を立てることが重要です。
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高齢者がローンを検討する際に注意すること
- 返済能力の確認:ローンを利用する前に、現在の収入や将来の収入見通しをしっかり確認することが重要です。年金が主な収入源の場合、毎月の年金額と返済額が釣り合うかを確認し、無理のない返済計画を立てましょう。返済期間が長引くと、生活費に負担がかかるリスクがあります。
- 金利の確認:高齢者向けのローンでも、金利は商品によって異なります。金利が高いローンを選ぶと、返済総額が大幅に増える可能性があるため、低金利の商品を優先して検討することが望ましいです。特に消費者金融のローンは金利が高めに設定されているため、慎重な選択が必要です。
- 担保の有無:リバースモーゲージや年金担保融資など、担保が必要なローンを利用する場合、自宅や年金などを担保に入れることになります。特にリバースモーゲージでは、亡くなった後に自宅が売却されるため、家族が住み続けることができなくなる可能性がある点に注意が必要です。担保を提供するリスクとその影響を十分に理解しておくことが大切です。
- 詐欺や悪質な業者に注意:高齢者をターゲットにした詐欺や、悪質な貸金業者に注意が必要です。特に「簡単に借りられる」といった甘い言葉や、過度に高額な手数料を要求する業者は信用しないようにしましょう。金融商品は信頼できる金融機関からのみ利用し、不審な勧誘には十分注意してください。
- 保険商品の検討:ローン商品によっては、生命保険や団体信用生命保険(団信)に加入することが義務付けられている場合があります。これにより、万が一返済途中で亡くなった場合でも、残りの返済額が保険で賄われ、家族に負担がかからないというメリットがあります。ローンを申し込む際は、保険の有無も確認しておくとよいでしょう。
高齢者がローンを利用する際には、無理のない返済計画を立て、リスクを最小限に抑えるために、慎重な検討と計画が必要です。ローンを利用する前に、できるだけ多くの情報を集め、専門家や家族のアドバイスを受けることで、安心して利用できる選択をすることができます。